幸運のおまけ ♪ _________________No.0039__15.02.15
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季節の野菜をたくさん召し上がっていただける中華料理店
第39回 マニ車をまわす
おはようございます! ふうです。
先日、白龍トマト館に行くと、なにやら見慣れないものが
ティファニーのランプの前にありました。
https://www.tomato-tanmen.com/whitedragon/15-02-15/
近づくとメモがあります。
「マニ車
チベット仏教で用いられる転経器です。
時計回りに一回まわすごとに
お経を一度となえたことになるという仏具です。
チベットから留学してきたスタッフが
帰国後に商売繁盛と健康を祈願し、
人魂の儀式をして贈ってくれました。
ご自由に回してみて下さいね。
ただし時計回りにお願いします」
読んでいると奈々ちゃんがやってきました。
「これ、ひょっとしてジュンツォさんがくれたの?」
「そうなのよ、チベットから贈ってきてくれたの」
「まわしてもいい?」
「時計回りにね」
ハンドルのように飛び出した龍の頭を持ってマニ車をクルクルクル。
回すと強力な磁場のようなものを発します。
速く回すと磁場が強くなるので夢中で回しました。
クルクルクルクルクル…
白龍トマト館の店内がみるみるうちに透明になっていきます。
はっと気づくと、ふうはチベットにいました。
広い大地、さえぎるもののない大きな空。
向こうから馬を引いたおじいちゃんがやってきます。
「なにをしてるんだ?」
チベット語で話しかけられたのに意味がわかります。
「あの、ジュンツォさんのお宅は?」
「ああ、日本に行ってきたジュンツォさんね。
丘の上に大きな木があるだろう。
あそこに行くと細い道が丘の向こう側に通じているから、
それを降りていって右側にある。
近くに行ったらまた誰かに聞くといい」
お礼を言うとおじいちゃんがニッと笑いました。
前歯が一本なかったのが印象的。
言われた通りに歩いていくと、一軒のおうちがありました。
「一軒しかないなら聞く必要ないじゃん」
と思いながら、家の前でジュンツォさんを呼んでみました。
すると「ふうちゃん!」と言いながら
ジュンツォさんが出てきました。
喜んで飛び跳ねながら握手をしました。
「ちょうど白龍で習った椎茸の紹興酒炒めを作ったんだ
食べていかない?」
「食べる、食べる」
うちのなかに入ると、まだ幼いジュンツォさんの娘さんが
スプーンで椎茸の紹興酒炒めを食べていました。
挨拶をすると恥ずかしがって上目遣いになりました。
かわいくて、キュンとしました。
私も花柄の模様のついたお皿にいただき食べました。
肉厚の椎茸にスープがしみ込み、まさに白龍の味です。
噛むごとにジュワッとスープがあふれてきます。
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プンとお酒の香りがします。日本酒の香りにも似ている。
懐かしいなぁと思って目を開くと、
白龍トマト館のカウンターです。
「あれ?」と思っていると奈々ちゃんが
「椎茸の紹興酒炒め、日本酒に合うからって、
一度にそんなに飲んだら酔っぱらうんじゃない?」
目の前には食べかけの椎茸の紹興酒炒めと熱燗があります。
「あれ? あれ? あれ?」いったいどうしたんだろう?
あたふたしていると奈々ちゃんが、
「どうかした?」
「いや、なんでもない」
平静を装いましたが、
胸にあるモヤモヤを吐き出したくてこう言いました。
「マニ車に幸せをいただいた」
ふうでした、またね~♪
「*次回の配信は2015年3月1日(日)を予定しております。
配信エラーにより届かないことがございます。
配信日を過ぎても配信のない場合は
info@tomato-tanmen.comまで連絡をください。」
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